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ダイアモンド✡ユカイと音楽評論家・加藤浩子がオペラ「カルメン」を語る。(5月21日)

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カルメン宣伝プロデューサー・ダイアモンド✡ユカイが音楽評論家・加藤浩子とカルメンを熱く語った。
その模様をお伝えする。

 

「本当にグっとくるのは、その女の力強さをみたとき」

加藤(以降KH)「カルメンについて何かイメージとかお持ちですか?」
ダイアモンド✡ユカイ(以降DY)「俺が好きになった女性って、ルックスもすごいけれど、本当にグっとくるのは、その女の力強さをみたときなんだよね。そういう象徴がカルメン」
KH「ふむ」
DY「このオペラって4人の登場人物で、実はすべての人間を描いている。見る人はどれかに自分を当てはめる。自分の場合、女々しいドン・ホセ」
KH「ええーっ!?」
DY「男こそ女々しいんだよ。それでいいと思うんだよね。それでも本質だから。痛いところを見せつけられる」
KH「でも、ドン・ホセみたいなことやっちゃうと、生活破たんしちゃう」
DY「やってますよ、みんな」
KH「そうですか?(笑)」
DY「いや殺しちゃいないけど(笑)。でも男ってどうしてもカルメンにすいよせられちゃう。そういうの、怖いよね」

 

「俺もオペラ歌手を目指していたかもしれない」

KH「ユカイさんはロックシンガーとして、オペラの発声法ってどう思いますか?自分でもやってみたいとか」
DY「俺の場合は基本はパワーボーカルなんだけど、低い音で本当に強い声を出そうとすると、オペラみたいな発声法になっちゃう。体を共鳴させる究極の歌い方だよね」
KH「参考になりますか?」
DY「いや(笑)、でも体を共鳴させるやり方ってどうしてもそうなっていくんじゃないかな」
KH「初めてオペラを鑑賞するロックファンにアドバイスを」
DY「オペラって究極なんだよね。シンガーとして、もし時代が時代だったら俺もオペラ歌手を目指していたかもしれない」
KH「今からでも遅くない(笑)」
DY「それはロックがなかった時代だったらって話(笑)。もともとロックってブルースが基本にあって譜面が読めなくてもできるってところから始まっている。ビートルズを例にあげれば4人そろえば何でもできるっていう。でも煮詰めていくとクラシックと切っても切れない関係にもなってくるよね。」
KH「はい」
DY「結局、時空とか敷居とかを取り去ったものがロック。一瞬でブレイクするっていう、それがロック」
KH「オペラも同じですよ」
DY「いや壁ってあるじゃん。チケットが高いとか、敷居が高いとか。でも歌舞伎だって、オペラだってもともと敷居とか壁がないものだったと思う。ロックも、クラシックみたいなものになっていくかもしれない。でも歌舞伎は日本のロックだった。高尚な壁をとっぱらったのが歌舞伎。オペラも同じだったのかも。もともとオペラもロックだったんだよ」
KH「そうですね」
DY「そんな気持ちでオペラを観に来てほしいかな」

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「カルメンもそう、生きているんだよね。」

DY「それで、どうせ見るんなら一流をみろって。食い物と一緒。どうせ金だすんなら一流のものがいい。後味がちがう」
KH「私も小学生のとき『イタリア歌劇団』というのが日本に来て、イタリアの一流歌手を聴いてハマった」
DY「で加藤さんの今がある」
KH「はい(笑)」
DY「田舎の掘立小屋のサーカス、あれじゃはまんないわ(笑)」
KH「ロックもそうかもしれませんが、オペラって生の体験が必要ですね」
DY「オペラもロックもライブだね。直接空気に触れるっていうか。本物を目の前にする、そこにふれることで自分の中で何かが変わる」
KH「トップクラスのひとが目の前でやってくれることって、やっぱり見ないとわからない」
DY「こんなに物が溢れる時代だからこそライブを大切にしよう、ライブを大事にしよう」
KH「うん、いい言葉」
DY「カルメンってポップだよね。ポップって悪いことじゃなくって。曲って命があって。カルメンって、もう元の曲じゃなくなっている」
KH「元じゃない?」
DY「要するに曲って進化するんだよ。ベートーヴェンの曲とかも、実際どんどん変わってきている。でも本質は変わらない。曲って生き続けるものじゃないかな。カルメンもそう、生きているんだよね。だからライブが一番なんだよね」
KH「本当にそうですね!」

~「カルメン」日本ツアー 6/7札幌ニトリ文化ホールでの公演を皮切りに全国で19公演を予定~