エディタ・グルベローヴァ~オペラ名曲を歌う~ 2017

2017年10月26日(木)すみだトリフォニーホール 大ホール

奇跡のディーヴァ
グルベローヴァが選曲した
超絶技巧のアリアたち

エディタ・グルベローヴァ~オペラ名曲を歌う~

エディタ・グルベローヴァ(ソプラノ)

スロヴァキアのブラティスラヴァ生まれ。故郷の音楽院を卒業し、1968年に同地の歌劇場に《セビリャの理髪師》のロジーナでデビュー。ウィーンに出て、1970年にウィーン国立歌劇場《魔笛》の夜の女王でデビューし、プロとしての本格的な活動を開始した。カール・ベームに認められ、1976年の《ナクソス島のアリアドネ》ツェルビネッタで国際的な注目を集める。以後は世界の一流歌劇場や音楽祭に次々とデビューし、キャリアを広げて行く。《リゴレット》のジルダ、《ランメルモールのルチア》のルチアなどコロラトゥーラの分野で大成功を収めた彼女が、次に挑んだのはベルカント・オペラだった。《清教徒》《シャモニーのリンダ》《テンダのベアトリーチェ》《夢遊病の女》《連隊の娘》など、当時としては珍しい演目を披露。またドニゼッティの女王三部作もエディタが取り上げてから人気になった作品だ。キャリアの後半には《ルクレツィア・ボルジア》や《ノルマ》を歌い、《異国の女》を蘇演した。キャリアの前半は“コロラトゥーラの女王”として、後半は“ベルカントの女王”として、エディタはオペラ界の頂点に立った。昨年のプラハ国立歌劇場オペラ来日に伴うソロコンサートでは、全く衰えを感じさせない、むしろ深みを増したコロラトゥーラを披露。客席はスタンディングオベーション、“コロラトゥーラの女王”健在をアピールした。

ペーター・ヴァレントヴィッチ(指揮)

ウィーン国立音楽大学で初めてオペラ「フィガロの結婚」「ドン・パスクワーレ」を指揮し、その素晴らしさから「類まれなるアーティスト」を受賞。2003 年にはオペラ・バスティーユとパリ・シャトレ座でヴォーカルコーチを務め、ジョン・エリオット・ガーディナーと 共に働く。その後ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団等、多くのオーケストラを指揮し、トルコ国立歌劇場の常任指揮者に就任。2004 年にスロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団の指揮をきっかけに多くのオファーを受けるようになり、スロヴァキア国立歌劇場で「リゴレット」初演を指揮。2012 年にはウィーン国立歌劇場のヤナーチェク作品の新演出の総責任者を務めるようになる。レパートリーは、交響曲に加え、ドン・パスクワーレ、ナブッコ、カヴァレリア・ルスティカーナ、椿姫、アイーダ、な どのイタリアオペラ、フィデリオ、さまよえるオランダ人、サロメなどドイツの大作を得意とする。

2013年9月にはウィーンでのエディタ・グルベローヴァのガラ・コンサートで指揮をする他、アルトゥーロ・トスカニーニ・フィルハーモニー管弦楽団、スロバキア・フィルハーモニー管弦楽団など共演多数。特にグルベローヴァからの信頼は厚く、昨年のプラハ国立歌劇場オペラ来日公演では、グルベローヴァからの指名を受け、彼女の出演公演すべてで指揮を担当。また来日に伴い川口リリアホールにて行われた彼女のリサイタルではピアノ伴奏を行った。

予定曲目

<前半>
モーツァルト:
ドン・ジョヴァンニよりドンナ・アンナのアリア: 「ひどいですって?そんな事はおっしゃらないで」
後宮からの誘拐よりコンスタンツェのアリア: 「悲しみが私の宿命となった」
後宮からの誘拐よりコンスタンツェのアリア: 「どんな拷問が待っていようと」
イドメネオよりエレットラのアリア: 「オレステとアイアーチェの苦悩を」

<後半>
ベッリーニ : 夢遊病の女より「ああ、もし私があと一度でも・・・ああ、信じられないわ」
ドニゼッティ : アンナ・ボレーナより「あなた方は泣いているの?・・・あの場所に連れて行って・・・邪悪な夫婦よ」
ドニゼッティ : ロベルト・デヴリューより最後のシーンより